【豆腐のような地盤でも客は無関心】

昭和三九年だからひと持前のことになるが、新潟に大きな地震があってマンションがゴロゴロ転倒したことがあった。年配の方なら覚えているだろう。この関東にもマグニチュード六以上の大地震が近い将来確実にやってくると言われているのである。その話題になると設計する人は必ずこう言う。。「いまは背と連って櫛造計算もしっかりやってるから絶対に心配はないよ」浦安あたりにはときどき五○メートルを越すパイルを打たなくては支持卿にとどかないところがある。六○メートルでもパイルは可能だが、これだけ長いと大地震のときに大丈夫かと言いたくなる。実際、こういうパイルは大地震のときに折れやすいという学者もいるほどなのだ。折れたらどうなるか。地盤が液状化しているのだから、あとは倒れるだけである。そこで最近では、支持層があまり深いところでは摩擦杭を使うようになった。摩擦杭というのはシバをつけたパイルのことで、支持牌に届かなくても柔らかい照に何本も打ち込んで、シバで受ける摩擦で建物を支えようというわけである。比較的価段が安いことから、敢近ではこの摩擦杭をよく使うようになった。

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